【時事】いじめと差別

■福島から避難でいじめ204件 対応を検討へ
4月11日 12時07分 NEW NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170411/k10010944351000.html

いじめの内容としては入学した時、『福島へ帰れ』と言われた小学生や、避難当初、『放射能がうつるから来ないで』と言われた中学生などの事例が報告されています。
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  いじめ問題については、わたしは専門的な知識を持ち合わせていない。そのうえで、この報道がわたしのアンテナに引っかかったのは、「福島」という地域に関わる問題だからだ。わたし自身は岩手県出身だが、福島で暮らした時期もあり、東日本大震災による大きな被害は他人事とは思えないのである。要するにわたしは、福島に対して親近感が強いのである。わたしにとって福島は〝身内〟なのである。

 

 一方で、「福島へ帰れ」という言葉からは、「お前は我々の〝身内〟ではない」という感情が読み取れる。「お前は仲間に入れてやらない。だから出て行け」ということである。「放射能がうつるから来ないで」という言葉は、「ケガレ」の概念とも関連するかもしれないが、この言葉もまた「お前は我々の〝身内〟ではない」という意思表示である。あまり良いたとえではないが、例えばお互いが放射能の被害に遭っていれば、「うつるから来ないで」なんて言葉は、おそらく出てこない。要するに「我々には放射能はないが、お前には放射能がある。よってお前は我々とは違う存在だ。お前は我々の〝身内〟ではない」という感情が根っこにあるのだと思う。「お前」と「我々」の間に線を引くこと、差別感情がいじめの原因の一つだとわたしには思える。

 

 「いじめ」というと、なんとなく学校で起きること、学生が起こすこと、というようなイメージが湧いてしまうのだが、職場で大人が起こす「いじめ」も当然ある。たとえばパワハラである。パワハラが「いじめ」であることは間違いないが、はたしてパワハラは「差別」なのか。ここらへんの話は整理しないといけないが、少なくとも〝身内〟に対して嫌がらせをすることはないだろう。パワハラもまた、「お前」と「我々」の間に線を引いて、「お前は〝身内〟ではない」「仲間としては認めない」という差別感情によって引き起こされるものかもしれない。

 

 「いじめ」が差別感情に基づくものだとしたら、いじめ問題は単に「子どもたちだけの問題」と捉えるのではなく、「大人たちの問題」でもある、と捉えるべきなのかもしれない。パワハラ問題にかぎらず、日本の大人の一部が、中国人や韓国・朝鮮人に対して差別的発言を公言して「いじめ」を行っている。いわゆるヘイト・スピーチである。

 

 差別感情というものは非常に手強い難題である。わたし自身もまた、「自分には一切、差別感情をもっていない」とは言い切れない。「お前はわたしとは違う」という感情、「お前は〝身内〟ではない」という感情が、わたし自身にも渦巻いているのは確かだ。こうした感情をどう解決していくべきか、引き続き考えていきたい。

 

■なぜこんなことに? 米ユナイテッド航空はなぜ乗客を引きずりおろした
10 April 2017 BBCジョール・グンター記者)
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39562378

■米ユナイテッド便で過剰予約、乗客を引きずり出す強制措置に非難殺到
2017.04.11 Tue posted at 10:13 JST CNN
http://www.cnn.co.jp/business/35099564.html

男性はアームレストに頭をぶつけて叫び声を上げ、自分は医師だと名乗って、中国人だからこんな対応をされるのかと抗議していたという。
CNN

 「中国人だから」という理由で選ばれ降ろされたのかどうか、それは分からない。
 もっとも、人種差別でなくとも、無理やり引きずり下ろすという行為自体は認められるものではないだろう。会社側に乗客を降ろす権限があるとしても、中国人乗客が激しく抵抗したのだとしても、そもそも「乗客よりも従業員の搭乗を優先させる」という経営姿勢に、根本的な問題があるのではなかろうか。