【本】

「公共空間」と「人格的な承認」 - 今村仁司『近代の労働観』

前回からの続き。今村仁司さんの『近代の労働観』によれば、労働の喜びとは「他者からの承認」であり、その欲望の本質は「虚栄心」だと考える。 近代の労働観 (岩波新書) 作者: 今村仁司 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1998/10/20 メディア: 新書 購入:…

労働の喜びは虚栄心? - 今村仁司『近代の労働観』

「仕事・労働」とはなんだろう。 それは、他者と関わる社会的な活動だ。自分だけのために行われる活動ではない。 「誰かのために何かをすること」、それが「仕事・労働」ではないか。 なので、「仕事・労働」に喜びがあるとすれば、それは他者からの承認だろ…

丸山眞男『「である」ことと「する」こと』の疑問 その2

前回は、丸山眞男のいう「『である』こと」と「『する』こと」の混乱は、日本に限ったことなのか、という疑問について述べた。今回はそのつづき。 以下長文なので、先に要旨を述べておくと、「『である』こと」と「『する』こと」が混乱する原因の一つは、そ…

丸山眞男『「である」ことと「する」こと』の疑問 その1

「である」ことと「する」こと 最近、丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』(1958年初出)を読みなおしてみた。1958年初出でありながら、今でも頷く箇所が多い。それだけ普遍的な内容なのだろうと思う。以下の『日本の思想』に収録されている。 日本…

【本】人生が人それぞれなら、方法もまた同じ - 橋本治『「わからない」という方法』

わからないからやってみる 橋本治さんは作家である。それも、なんでもやる作家である。女子高生の話し言葉で書かれた、画期的な一人称小説『桃尻娘』(1977年)で作家デビューしてから、小説はもちろん、古典の現代語訳をやり、少女漫画から日本近代文学まで…

【本】読書家につける薬 - ショーペンハウアー「読書について」

本ばかり読むと馬鹿になる 本を読むと知識が身につく。物知りになる。また、自分とは違う考え方や知見を知ることができる。読書は良いことばかり。そう思っている人には、次の文章を読んでもらいたい。ドイツの哲学者、ショーペンハウアーの「読書について」…