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森友学園の問題について整理してみる


 連日、森友学園のニュースが報道されている。関連する話題が広がりすぎているように思えるが、わたしなりに整理すると大きく2つに分類できる。

 

不透明さと、説明の不十分さ

 ひとつは「森友学園が設立しようとしていた小学校に関すること」である。まず、評価額が約9億円だった国有地が、約8億円も値引きされた経緯が〝不透明〟である。そして、大阪府側が行ったとされる学校設立を認可する過程が〝不透明〟である。

 なぜ〝不透明〟かと言えば、学園側の説明が〝不十分〟だからであり、認可をした国側の説明もまた〝不十分〟だからである。〝不十分〟だから「違法性」を疑われているのである。〝不十分〟な説明、すなわち曖昧な説明をし続けるのであれば、疑惑はますます深まるだけである。

 であるなら学園側も国側も、誰もが納得するよう〝十分〟な説明をすればよい。〝十分〟な説明をしてくれれば、疑問はなくなる。疑問がなくなれば、学園の設立や認可の過程が〝透明〟になる。問題がないのであれば解決であり、問題があれば処罰し、再発防止に努めればよい。

 

主張の食い違い

 もうひとつは「籠池理事長と、安倍総理大臣および稲田防衛大臣とで、主張が食い違っていること」である。

 まず、面識に関して食い違っている。籠池理事長は「面識がある*1」と主張しているが、安倍総理は「1対1でお目にかかったことはない*2」と答弁している。また、稲田大臣は「面識はあるが、10年近く会っていない*3」と答弁したが、その後、籠池理事長はYouTubeに動画を投稿・公開し「2年前ほど前に会った」と発言している。

 また、寄付金の有無についても、互いの主張は食い違っている。籠池理事長は、「安倍総理から100万円の寄付を頂いた*4」と発言し、安倍総理は「自分も妻も寄付をしていない*5」と答弁している。


 食い違っているということは、どちらかが嘘をついているわけであるが、ではなぜ嘘をつくのだろうか。

 

嘘をついているのだとしたら…

 仮に、籠池理事長が嘘をついているとすれば、「安倍総理と面識がある」「安倍総理から寄付金を頂いた」と主張しすることに何かしらのメリットがあった、ということが考えられる。わたしが思いつくメリットは、宣伝効果である。寄付や入学者を募るにあたって、安倍総理あるいは稲田大臣といった著名な人物と接点があるということを、学園の宣伝に利用した、ということである。

 では逆に、安倍総理と稲田大臣が嘘をついているとすれば、それは籠池理事長と接点があることがデメリットだからであろう。では、どんなデメリットがあるのだろうか。

 

学園と接点があると、印象が悪くなる?

 わたしが思いつくデメリットは、「印象が悪いから」である。

 森友学園が運営する幼稚園では、教育勅語の暗唱といった戦前回帰的な教育が行われていることが、メディアによって報じられた。もし世間の多数が、戦前回帰的な教育を善いものだと考えているのなら、森友学園の評判は良いものになるはずだ。評判の良い学園とその学園の理事長と接点があることは、何ら問題はないし、むしろ国民から好感されるだろう。

 逆に世間の多数が、戦前回帰的な教育を悪いものだと考えているのなら、印象は悪くなる。印象が悪くなれば、支持率が下がる。支持率が下がれば、選挙で落選する可能性が高まる。政治家にとって、国民にからの印象が悪くなることは絶対に避けなければならないのである。

 

教育勅語は善いもの?悪いもの?

 はたして世間の実態はどうだろう。わたしが想像するに、やはり戦前回帰的な教育を否定する人が多いのではないかと思う。その一方で、「戦前回帰的な教育は悪いものではない」と主張する人だって当然いる。むしろ「現代の教育では道徳心が育まれていない。だから、いじめ問題が起こるのだ。戦前の教育の方が優れている」というような主張をする人だっているだろう。

 戦前の教育といえば、わたしがまっさきに思い浮かぶのは「教育勅語」である。森本学園が運営する幼稚園が、園児に教育勅語を暗唱させていた。暗唱させるくらいだから、学園側は教育勅語を「善いもの」だと考えているはずだ。また、稲田大臣は「教育勅語に流れている核の部分は取り戻すべき*6」だと考えているようである。

 究明しなければならないことは、不正があったかどうかである。それをはっきりさせればよい。ただそれだけのことである。それだけのことであるが、仮に不正があったとしたら、不正を行った「動機」があるはずである。そして、その動機の根底には、戦前回帰的な教育方針を含む保守的な思想があるのではなかろうか。そのようにわたしには思える。では、保守的な思想とはなんなのか。

 今回の一連の問題が報道させるまで、「教育勅語」にどんなことが書かれているか、ちゃんと理解していた人はどれくらいいただろう。わたしもまた、ちゃんと理解していなかったのである。
 なので次回は、「教育勅語」の内容について考えてみたい。

*1:週刊朝日 2017年3月10日増大号

*2:参議院予算委員会 2月24日の答弁

*3:参議院予算委員会 3月8日の答弁

*4:3月16日 建設中の小学校を訪れた参院予算委のメンバーに対しての発言

*5:参議院予算委員会 3月17日の答弁

*6:参議院予算委員会 3月8日の答弁